昨日に続いて、映画「サンジャックへの道(原題:サンジャック...メッカ)」のスクリーンで見た場面から、自分が写した写真とを見比べてみた。 昨日も書いたように、映画では場所が特定できるような写し方は殆どしていなかった。
これは、野犬がたくさんいると云われていた廃村フォンセバトンの殺風景な路に立つ十字架。 現在は放し飼いの犬はほとんどいなかったし、アルベルゲとバルがあるということでは、もう廃村ではない。
映画では、この十字架の横で座り込んだ場面が一瞬だがあった。 この横にスイス人が経営しているバルがあって、とにかくシチュー(肉)が美味しいのだが、そんな映像は当然写らない。
手前に民営、先に公営のアルベリーゲがあって、先着順に開くまで待つ行列があった。

この写真は、しばらく坂を登ってから来る、イラゴ峠に立つ鉄の十字架。
電柱の先に小さな十字架があるのだが、結構長い(高い)。 映画でも、電柱の根元の小山に石を運ぶような場面があった。 旗か布切れか、随分とデコレーションされていたが、我々が実際に見た時は、小銭が柱の割れ目に差してある程度のわずかなものであった。
この峠を少し下った所にあるのが、マンハリンのアルベリゲ(むしろレフリージオ)である。
山小屋のようなベッドに、トイレは仮設のボットン。 シャワーは、岩から湧き出る水にタオルを濡らして拭くだけ。 それも巡礼路のすぐ下。
映画では、ここの鐘の音とともに、黒ふちのメガネをかけたブラジル人のトマスさんが、表情を一つも変えずに写っていた。
この後、映画では240kmもショートカットし、モンテドゴゾに到着。
ここで鼾に悩まされた3人連れに遭遇し、逃げ惑うのだが、ここのアルベルゲは近代的な建物が兵舎のように沢山並んでいて大きい施設だ。 実際にはコンポステーラが目の前だと泊まらない人も多く、その方が巡礼事務所での混雑を避けることができる。 通常は、ここを朝出発し巡礼事務所で証明書を受けてから、12時のミサでポタフメイロを見て、巡礼を終わらすというのが普通のパターンらしい。
巡礼事務所があるビルの二階へ上がる階段、証明書の発行依頼をした後は、何とパラドールに泊まると映画はなっていた。 我々はそんな高価な所には泊まれないし、実際には数ヶ月前に予約しないと泊まれないらしい。 カテドラルでのポタフメイロを眼で追いかける場面があったが、これはミサの最後に行われる。 映画ではミサなどの宗教的儀式も全て省いていた。
映画では、多くの巡礼者と同じように、サンチャゴから海辺のフィステラへバスで移動するのだが、その理由は何も述べていない。 フィステラの砂浜で1500kmを歩き通した充実感に酔いしれている所に、一人の青年に母親の死が告げられる。
その砂浜は、こんなにも風光明媚な所なのに、映画では狭い海岸だけしか写っていなかった。
フィステラから4kmほど歩くとフィニステーレの岬の突端にたどり着く。 昔の巡礼者はここで身につけている物を崖下に投げ落とす(虫のついた衣服を焼く?)ということであったが、現代ではそんなことはない。
ここから見る大西洋に沈む夕日は素晴らしいのだが、映画ではそんな場面もなく、フランスに戻った3人は、共に母親が暮らしていた邸宅を訪ね、そしてそれぞれの家へ帰って行く様子を、亡くなった母親が見送る。 3人それぞれの普段の生活が始まる所で映画は終わった。
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